Voice 2019年8月号 epubダウンロード無料
Voice 2019年8月号
によって Voice編集部
4.2 5つ星のうち(3人の読者)
Voice 2019年8月号 epubダウンロード無料 - 今月号の総力特集は、「危機に立つ世界経済」である。6月末、大阪で開催されたG20。その際に行なわれた米中首脳会談でも、貿易摩擦の抜本的な解決策が示されたわけではない。世界が針路を見失っているいまこそ、わが国古来の価値観に立ち返るべきではないか。「世界の危機」ともいうべき時代に、日本がいかに立ち向かうべきか。藤原正彦、冨山和彦、河合雅司、若月秀和、近藤大介、そして佐伯啓思の六氏に論考いただいた。特集は、「アジアの火種」。ホルムズ海峡でのタンカー攻撃事件、香港デモなどに揺れるアジアのいまを分析する。巻頭インタビューでは、セブン-イレブン・ジャパンの永松文彦社長が、コンビニ業界で課題となっている「人手不足」への対応策を語る。
Voice 2019年8月号の詳細
本のタイトル : Voice 2019年8月号
作者 : Voice編集部
カテゴリ : 本
ファイル名 : voice-2019年8月号.pdf
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以下は、Voice 2019年8月号に関する最も有用なレビューの一部です。 この本を購入する/読むことを決定する前にこれを検討することができます。
保守色の強い、というか実際のところかなり排外的なVoiceは、私の好みに合わず普段はあまり読まないのだが、8月号については與那覇氏の論稿が頗る興味深い。氏は、平成期を通して、国家と個人をブリッジすべき社会が「いびつなかたち」で解体された結果、国家と個人しかない状況となったと説明する。それは、個人であれば内面の設計が自由であるから「最強の個人」の創出が可能であるという幻想が拡がったからであり、極度の合理主義信奉の結果であるとする。政治学者はこういった見方をするのかと、少し驚いた。現状の分析には首肯し得る部分もあるが、氏は「個人」をどう捉えているのだろうか?少なくとも個人を「市民」とは捉えていまい。タームの用い方に甚だ疑問がある。これでは、欧米の政治学との接合は困難であろう。現況は個人の創出ではなく、著しい個別化・分断化であり、これは資本主義の変質による労働の変化にほかならず、労働者は連帯することもできずに資本の論理に押しまくられているだけだ。さらに、氏が言われる社会の解体は中間団体の解体と世間の変質を意味しよう。旧来の「人」を包摂・庇護し、或いは抑圧・排除した様々な中間団体、例えば地縁共同体や終身雇用の会社などは大きく変質し、解体されたと言っても良いだろう。しかしながら、その内部規範である同化・同調強制はむしろ社会全体に蔓延し、あたかも内在的全体主義のような状態を呈している。日本的社会は健在としか言いようがない。個人の創出は、中間団体の軛を自ら外すような主体的運動としての中間団体の解体によって、個人を析出するということであり、その契機を持たないままの我々としては如何にしてその契機を持つかが課題であったはずだ。しかし、将来に希望を紡いだこういった考えは、現実に追い越され、我々は西欧近代の価値観を土着化する契機・環境を根こそぎ奪われつつある。ここに現在の問題があるのではないか。私とはあまりに異なる問題意識に、その懸隔の大きさに、何と言うべきか、暗澹とする感じだ。ともあれ、氏のような考え方に触れられたのは収穫であった。
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