気候で読む日本史 (日経ビジネス人文庫)本ダウンロード無料pdf
気候で読む日本史 (日経ビジネス人文庫)
によって 田家 康
4.1 5つ星のうち(5人の読者)
気候で読む日本史 (日経ビジネス人文庫)本ダウンロード無料pdf - 内容紹介 われわれの先祖はいかにして立ち向かったのか?異常気象との攻防1400年! 様々なエピソードを詳細なデータに基づき分析する。●「銃 病原菌 鉄」の日本史版! 本書は、われわれ日本人の祖先が気候変動に対しどのように立ち向かってきたかについて、歴史の流れに沿って記したもの。気候変動に起因する災難等への各時代の人々の行った対応策に力点を置いています。 日本人は自然災害に対して受け身であり過去の経験を活かす意欲に欠けるといわれることがありますが、そんなことは決してありません。われわれの祖先も現実を直視し、苦悩する中で何とか打開策を見出そうと模索し、予防策を真剣に考え行動を起こしてきました。その歴史を振り返り、今も頻発する異常気象、災害にどう対処すべきかを学べる1冊です。 内容(「BOOK」データベースより) 律令制を崩壊させた干ばつ、日蓮が記録した天変地異、寒冷化が可能にした新田義貞の鎌倉攻め―。日本人が異常気象や気候変動に起因する災難にどう立ち向かってきたかを、豊富なエピソードと緻密なデータで描き出す異色作! 商品の説明をすべて表示する
気候で読む日本史 (日経ビジネス人文庫)の詳細
本のタイトル : 気候で読む日本史 (日経ビジネス人文庫)
作者 : 田家 康
ISBN-10 : 4532198844
発売日 : 2019/1/8
カテゴリ : 本
ファイル名 : 気候で読む日本史-日経ビジネス人文庫.pdf
ファイルサイズ : 26.02 (現在のサーバー速度は20.49 Mbpsです
以下は、気候で読む日本史 (日経ビジネス人文庫)に関する最も有用なレビューの一部です。 この本を購入する/読むことを決定する前にこれを検討することができます。
この著者の「気候文明史 世界を変えた8万年の攻防」を読んでから、この本を読んでみた。非常に飢饉や干ばつや冷害に関してターゲットを絞っている節があり、特に餓死者が多いことには私も驚いたのだが、では何故人は餓死するのだろうか?まず理由の一つ目、何より米については、糖質が高く「おいしい」からに他ならない。だから米が食べられないことで絶望するだけではなく、何より「富」を失うから絶望するのだ。古来から日本において米は「貨幣」と同じ様に兌換性が高い存在だからだ。今でも「お金」が無くなることが原因の自殺者が絶えないし、人は希望を失うことで行動を束縛され死を受け入れることの方が多い。だから麦や大豆、粟や稗といった他の穀物の栽培をしたり、芋の栽培をしたりしたが「富」の減少の方が一大事だったのだろうか?二つ目。体力が無くなれば、疫病にかかりやすくなり、免疫力低下により死者が増加することは避けられないからだ。天然痘の流行や麻疹、インフルエンザ、マラリア(この本では言及してないが、この流行もあったことは酒井シヅ「病が語る日本史」を参照で確認)などの疫病によるものもあるだろう。あと、辰野高司「カビがつくる毒―日本人をマイコトキシンの害から守った人々」や田中真知「増補 へんな毒 すごい毒」に紹介されているカビ毒は、飢饉の際に、それに侵された黄変米(Wikipediaを参照!)や麦でもやむを得ず食されたとか十分あり得る。だから余計に死者が激増したのだろう。特に日本は水資源が豊富で、湿度も高いのでカビ毒に悩まされたことは想像に難くない。灌漑技術の向上や肥料を扱う様になってから飢饉は徐々に減少しているが、相変わらず冷夏や干ばつによる飢饉に悩まされている。あと著者には申し訳ないが、科学的調査も良いが、民俗学や文化人類学の著書をもう少し読んで欲しい。坪井洋文「イモと日本人―民俗文化論の課題」を読むと、非水田稲作民の文化要素も考慮に入れ、税として納めるもの以外を、栽培して食する文化圏があったことを考えるべきだ。つまり古文書の記録では「載っていない文化圏」や伝承が現前としてあり、したたかに生きる田舎の人々がいたということだ。まだ平安時代や鎌倉時代では、山中に分け入ることを避けていて、直接出会うことすら避けていた「部落」が実在していたのだ。これが室町時代には鋳物師や指物師などの職能集団として登場するが、それ以前は鬼や化け物の様に忌み恐れられていたのだ(栗本慎一郎・小松和彦「経済の誕生―富と異人のフォークロア」参照)。何より古文書の類を鵜呑みにすると危険だ。過去の統計数字はあやふやな場合も多いし、何より過去の人口統計に関しても現代でも群集統計推論の域を出ないのだから仕方ないが、異文化交流がどう行われていったのかをもっと考えていく必要があると思う。狩猟で生計を立てていた人々(東北ではマタギとか)にも、もっと注目するべきだろう。この著者は触れていないが、実はごく当たり前に田畑を「耕す」という行為そのものがいけないのだ。鉄の農具の向上によって、微生物、根粒菌、ミミズなどの豊かな土壌を荒らしてしまうのだ(C・ダーウィン「ミミズと土」参照)。それに二毛作をしようものなら、土壌回復する間もなく土壌劣化は避けられない。これは著者も述べているが、飛鳥から奈良時代にかけて、多くの森林伐採をして「水源涵養機能」を持つ森林を伐採したことで、逆に洪水や土砂崩れ(これは今でもある)、干ばつに見舞われるという事態を生んでしまったことだ。土壌の研究は気象学の人でも、もっと調べて欲しいところだ。地球の生命圏が実は気象に影響を与えていることにも、もう気づくべきだ。例えば雪を降らせる細菌シュードモナス・シリンゲ(シュードモナス・シリンガエ)と呼ばれるグラム陰性桿菌が大幅に増加すれば、特殊な氷結タンパク質を出し、それによって水を凍らせ、植物による霜害が、実は微生物による生物的現象だとする研究もある(別府輝彦「見えない巨人―微生物」参照)。火山や太陽活動による影響だけでも、還元出来ない複雑な問題が実は横たわっている気がする。つまりこのグラム陰性桿菌がいなければ、摂氏マイナス40度あたりでなければ水が凍らないのだ。ただどういう理由で細菌が繁殖するかとかの因果関係は不明だ。微生物学分野では既知のことだが、人工培養出来ない細菌やウィルスがまだ莫大にあるという。デイビッド・モントゴメリーの最新の著書、「土・牛・微生物ー文明の衰退を食い止める土の話」を読むとその大切さがわかる。この著者の田家氏もモントゴメリーの「土の文明史」は読んでいるらしいが(田家康「異常気象で読み解く現代史」で参考文献に上がっていた)、この耕すという行為そのものに問題があることは指摘していない。本来の日本国土は土壌の微生物が豊富で、不耕起農法で、さらに休耕して輪作した方が良いのだが、刹那的かつ短絡的に「成果」を急ぐあまり、ただでさえ降雨も多く寒暖に振り回されるこの気象条件では安定的な農業がしづらかったに違いない。蛇足だが、ヨーロッパのミミズ(Lumbricus rubellus)は寒冷になっても冬眠はしないらしいが、日本のミミズは寒冷になると冬眠するという。だから東北地方の飢饉は、寒冷の場合は土壌回復がままならず、甚大な被害になりやすかった様だ。著者が気象予報士なので仕方がないのだけれど、日本の歴史を考察する為には、古文書の調査に偏りすぎているところがある。奈良時代の平城京辺りは、中央構造線が東西に通っていて、崩れやすい砂利の土質で、作物を育てるための表土が少ない(薄い)ことが判明している。だから森林伐採したことでさらに飢饉に脆弱な土地になったと思われる。稲垣栄洋「世界史を大きく動かした植物」によれば中央構造線の通っている地域は、ジャガイモの栽培の方が向いているという。中央構造線は磁場が少ないことでパワースポットが多数あるらしい。以前ブラタモリを見ていて、タモリも中央構造線が気になっているらしいことを述べていた(笑)。
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