ヴァーグナー家の人々―30年代バイロイトとナチズム (中公新書 585)本ダウンロード
ヴァーグナー家の人々―30年代バイロイトとナチズム (中公新書 585)
によって 清水 多吉
3.8 5つ星のうち(3人の読者)
ヴァーグナー家の人々―30年代バイロイトとナチズム (中公新書 585)本ダウンロード -
ヴァーグナー家の人々―30年代バイロイトとナチズム (中公新書 585)の詳細
本のタイトル : ヴァーグナー家の人々―30年代バイロイトとナチズム (中公新書 585)
作者 : 清水 多吉
ISBN-10 : 4121005856
発売日 : 1980/08
カテゴリ : 本
ファイルサイズ : 25.91 (現在のサーバー速度は22.56 Mbpsです
以下は ヴァーグナー家の人々―30年代バイロイトとナチズム (中公新書 585) の最も正直なレビューです。 この本を読んだり購入したりする場合は、これを検討してください。
ナチス時代にヴァーグナーがどう受け入れられていたか、かつナチスとはなんだったかの勉強にもなる名著です。ワーグナーの音楽に興味がなくても読んでおいて損のない一冊だと思う。ナチスが、19世紀までは維持されていた伝統的社会の価値や秩序に対し、それなりの「社会革命」「文化革命」を打ち出していたこと(だからこそ一時的ではあれ民衆の支持を得た)ことをこれほど簡潔かつ見事に描いた本は少ない。第2次世界大戦中も、ぎりぎりまで、ワーグナーの作品のみを上映する「バイロイト音楽祭」はナチスの支援下で夏に開催され続けました。傷ついた兵士たちが多く、ヒトラーの「招待客」として会場に招かれました。彼らのすべてが音楽を理解し楽しんだとは思いませんが、ワーグナーの音楽の中に、このようなドイツの芸術を守るために死のうというある種の決意(それがどんなにヒトラーに利用されたものであれ、人間、死ぬかもしれない戦いに行くときに何らかの決意や思いは必要でしょう)を与えられた若い兵士もいたはず。時代と人間のドラマを感じさせます。大指揮者フルトヴェングラーとナチス宣伝省ゲッペルスとの論戦についても、著者はこれまでの反ファシズムの見地からのフルトヴェングラー擁護や、芸術と政治は別といった抽象論よりもはるかに深く本質をついた分析をしています。戦後のバイロイトの新演出、非ナチス化の成功と限界への視点も含め、政治学者による音楽論としては最も優れたものの一つとしておすすめします
0コメント